• 美容皮膚科領域での再生医療 – 真皮線維芽細胞療法とは

    投稿日:2023年2月22日
    更新日:2023年11月2日
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    線維芽細胞とは

    主に皮膚の真皮層に存在し、結合組織を構成する細胞の1つです。真皮を構成する3大要素であるコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生成やメンテナンスを行います。

    コラーゲンは真皮の約70%を占める線維状のタンパク質で、柱のように表皮や皮下組織を支えています。肌のハリや弾力に大きく関わりますが、加齢とともに皮膚のコラーゲンが減少することで、しわやたるみが引き起こされます。エラスチンは水に溶けず、ゴムのような弾性を持ったタンパク質で、コラーゲンとともに肌に弾力を持たせます。ヒアルロン酸は真皮の細胞の隙間を埋めるように存在するゼリー状の物質で、高い水分保持力により肌の保湿に作用しています。これらを生成する線維芽細胞は肌を若々しく保つために非常に重要な細胞ですが、20歳を過ぎると徐々に減少していき、50歳代には20歳の頃の約半数になるとの報告があります。

    真皮線維芽細胞療法

    線維芽細胞の減少による肌の老化を予防するために、自身の線維芽細胞を採取・増殖させ真皮に移植する施術です。

    まず、顔面の皮膚の中でも老化の影響が比較的少なく傷跡の目立たない耳の後ろから皮膚を採取します。次に厚生労働省許認可の細胞培養センター(CPC)で、採取した皮膚から抽出した線維芽細胞を約4000万~1億個にまで増殖させます。皮膚採取から5週間後に、増殖・培養させた線維芽細胞を真皮に注入し移植します。これを1~2週毎に3回行い、真皮層に線維芽細胞を生着させます。線維芽細胞が増加しコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸が生成されることで、肌のアンチエイジング効果が期待できます。

    真皮線維芽細胞療法

    自身の細胞を抽出・培養して移植するため、アレルギー等の副作用の可能性は低く、安全性の高い施術です。また、ヒアルロン酸製剤の注入療法やボトックス療法のような即効性には欠けるものの、肌機能を根本的に改善する治療のため、長い持続効果を得られます。

    肌機能を根本的に改善する治療のため、長い持続効果

    これまでの高周波やレーザーによる美容皮膚施術は、皮膚に現存する限られた線維芽細胞に働きかけその活性を促すものであるため、治療効果は限定的なものでした。本施術は真皮の線維芽細胞の個数を増やすため、より大きな効果が期待できます。

    肌はストレスや紫外線、喫煙などの刺激により経年的に劣化していきます。本施術を定期的に行うことで、真皮層の線維芽細胞の状態を若く維持することができ、肌の老化スピードを遅らせることができます。

    さらに、20~30歳代の若く豊富な線維芽細胞を採取し、増殖・培養した状態で凍結保存することが可能です。これを数年後~十数年後に自身の皮膚に移植することで、将来のアンチエイジング施術に備えることができます。

    当院では真皮線維芽細胞療法による根本的な肌治療に加え、美容皮膚クリニックとして最新の美肌治療のご提案もしております。再生医療と美容皮膚治療の良いところを組み合わせ、皆様の若々しく健康的な美肌のお手伝いをしたいと願っております。