整形外科疾患に対するPRP療法
更新日:2024年12月3日
整形外科は、骨・関節・筋肉・腱・靭帯・神経などの、運動器にかかわる疾患を扱っています。
外傷や経年変化によって、運動器障害をきたす方も多く、薬・注射・リハビリ等の保存的治療による治療効果があらわれず、手術を余儀なくされる方もいらっしゃいます。しかし、できることなら、手術を避けたいと思われている方が、ほとんどだと思います。
PRP(Platelet Rich Plasma)とは、多血小板血漿のことで、傷を治す働きを持つ、血小板という成分を濃縮し、活性化させたものです。PRPに含まれている様々な成長因子は、自然治癒過程を活性化させ、自己修復力を強化してくれます。
PRPを患部に直接投与することで、すり減った軟骨や傷んだ筋腱の治癒を促進させ、組織の炎症を改善させることが期待でき、手術の回避や、治療期間の短縮につながると考えられています。またPRPはご自身の血液から抽出しますので、副作用はほとんどなく、繰り返し投与することも可能です。
整形外科におけるPRP療法とは?
しかし、あらゆる組織を、どんな状態からでも、修復(再生)できるわけではありません。重度の変形や断裂した組織を、元通りにすることはできませんので、施行前の詳細な評価が重要となってきます。
そこで、PRP療法を行う際は、レントゲンではわかりにくい骨軟骨や筋腱などの評価を行うために、MRIが有効とされています。
当院には、MRIを完備しておりますので、PRP施行前の骨軟骨や筋腱などの評価をMRIで的確に行い、PRP療法の適応を判断しております。またPRP療法後の定期的MRIを行うことで経時的な効果判定も行っております。
PRP療法とリハビリテーション
PRPで修復された組織を長持ちさせる為には、PRP施行後にリハビリテーションを行うことが、推奨されています。
せっかく組織修復を促進させても、十分な筋力や適切な体の動かし方が出来ていないと、良い状態を維持することが出来ないからです。
リハビリテーションは、日常生活やスポーツ活動に必要な筋力や動き方を、効果的に身につけることができます。そこで、当院ではPRP効果をより高めるために、理学療法士によるリハビリテーションを行っております。
しかし、筋力が十分でない場合、リハビリテーションの効果が発揮できないケースもあります。
筋力をつけるために、ただ筋力訓練を行えばよいというわけではありません。筋力訓練をより効果的にするためには、十分なたんぱく質が備わっていることが必要です。
そこで、当院ではinbodyによる体組成評価(筋肉バランスや筋肉に必要なタンパク質量など)を行うことで、より効果的な運動療法指導や、必要に応じた管理栄養士による食事指導を受けることもできます。
このように、当院では、多方面から運動器ケアを行うように、心がけております。