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  • 幹細胞治療と培養上清治療について

    投稿日:2022年8月8日
    更新日:2022年8月20日

    幹細胞とは

    幹細胞は生物の脂肪や骨髄、歯髄といった様々な箇所に存在し、自己複製能と多分化能(複数種類の細胞に分化する能力)を持つ細胞です。この幹細胞を培養増殖させ、自身に点滴で戻すことで様々な病態に改善効果が期待されます。

    難治性の痛みの改善、糖尿病などの代謝疾患の改善、動脈硬化疾患の改善(悪玉コレステロールの低下や、血管のしなやかさの改善など)、皮膚のやけどや損傷後の回復、心不全などの改善、腎機能の改善、神経障害の回復など多くの病態の治療に期待ができる、まさに万能細胞治療ともいえるかもしれません。

    この効果は、細胞そのものが好影響を与えているものもあれば、幹細胞が分泌する成長因子やホルモン、サイトカイン、microRNAなどが作用している場合もありますが、多くは機序がまだまだ不明です。

    幹細胞を利用した治療

    ①幹細胞治療…幹細胞そのものを増殖させて体内に戻す治療

    幹細胞治療では日本の法律上、細胞を採取した本人の細胞を体内に戻すというのが鉄則ですが、何倍もの数に増殖した細胞が再び体内で活動することにより、細胞が分泌する有効成分が長く効果を発揮することが考えられます。

    また障害組織から分泌されるシグナルにより、幹細胞がその部位に集まり(ホーミング効果)、障害組織に分化するなどして組織を再生するという効果も期待できます。デメリットとして、治療費が高額であることや、極まれに一時的な発熱や肺梗塞が見られることが挙げられますが、基本的に拒絶反応や副作用が少なく安全性の高い治療と考えられています。

    ②幹細胞培養上清治療…幹細胞を培養した際にできる上清液を用いた治療

    細胞そのものを投与せずにその上澄み液の中に分泌された有効成分だけを用いるため、健康な他人の幹細胞をも利用することができます。また、由来となる組織により分泌される有効成分の比率も違うため、病状により使い分けることもできます。デメリットしては、細胞本体が入らないため効果の持続期間が短いこと、他人の細胞を用いることによる感染症のリスクなどがあげられます。

    そのため、効果を継続させるためには繰り返し投与を行い、安全のために感染症検査やドナー情報の管理がきちんと行われている培養上清を選択することが重要です。

     

    治療例

    関節の痛み治療を例にあげますと、関節痛は骨や関節のすり減りなどが原因で慢性的な痛みが出る状態をいい、加齢に伴い膝や肩に発症します。関節痛治療としてシップや飲み薬、リハビリや手術、ヒアルロン酸やステロイドなどの関節内投与などの治療が、整形外科で提案されるものと思いますが、それでも残存する慢性疼痛などに幹細治療や幹細胞培養上清治療の効果が期待できます。この治療は関節そのものを新品交換するわけではないですが、組織の修復や再生を促すことと神経への作用などにより、痛みを緩和するものと考えられます。

    当院では関節に直接投与することは、感染症などの合併症や、専門の整形外科での関節内投与薬剤などとの関係も考慮し行わず、局所の皮下注射や点滴の投与を実施しております。皮下投与では、関節からは距離があるように思われますが、実際は周辺の皮下少量投与で劇的に改善が見られた例もあり、少量では効果がなくとも幹細胞治療を行って初めて改善が見られた場合もあり、患者さまの状態に合わせて検討することが重要となっています。

    当院の治療

    ここで、当院におけるより効果を出すための工夫を紹介します。クリニックと細胞培養センターを供に運営していることもあり、様々な取り組みを行っています。

    幹細胞培養上清は他人由来の製剤が使用できることもあり流通しやすく、化粧品やサプリなどにも多数の含有を明記した製品がみられますが、実際にどの程度有効成分が含まれているのかは確認しがたい状態です。しかし当院では実際に製造している上清液中の有効成分と考えられるサイトカインや成長因子を実際に測定調査しております。最も成分が高濃度となる培養方法を選択し、投与直前まで凍結保存することで、有効成分が消耗しないような工夫をしています。

    幹細胞治療は、具体的には本人の腹部の脂肪などを局所麻酔で採取し、組織の中の幹細胞を分離培養します。術後の痛みや出血、脂肪採取時の機械的操作による細胞の壊死などの懸念があるかと思いますが、当院では脂肪採取用の最新機器を導入しています。当院で用いている脂肪吸引機は、FDAで認可されている世界最新のLipoLife(ライポライフ)というレーザー機器で、出血を最小限にとどめ幹細胞の生存率も高く保つことができます。細胞培養センターが隣接しているためタイムロスなく幹細胞を培養でき、培養上清と同様最適な培養方法も選択しております。

    この際に本人の幹細胞培養上清液を製造することもでき、感染症などのリスクが不安な方も高い活性を保った培養上清治療を行うことができます。幹細胞採取の術後の痛みにも培養上清治療で対応することができ、幹細胞の恵みを最大限に利用することができます。

    また、投与用の細胞を投与前まで凍結保管するところもありますが、解凍直後の細胞は凍結のダメージにより細胞の活性が低下しているという結果が、当院で行った実験により得られました。当院では細胞の活性を最大限に保つために、投与用幹細胞を生の状態で保管し、培養部門から投与直前に受け取り点滴投与しております。

    幹細胞投与までのイメージ図
    幹細胞投与までのイメージ図

    りんくうメディカルクリニックCPC
    りんくうメディカルクリニックCPC
    培養のイメージ図

    再生医療クリニックの中でも特色のある治療を行っておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

    第二種再生医療等・治療に関する提供計画 計画番号PB5220009

    コラムの監修者

    りんくうメディカルクリニック
    小村 泰雄

    院長
    がん治療は、がんと言われたから始まるのではなく、日々発生するがん細胞への管理でもあり、病院にいるときだけでなく、食事や運動、睡眠、恋愛、家族との時間などすべての生活の中にあります。我々は先進的な医療はもちろんですが、毎日の日常の中からも治療を後押しする栄養補助など統合的にがんと向き合っていきたいと思っています。
    • コラムの監修者

      りんくうメディカルクリニック
      小村 泰雄

      院長
      がん治療は、がんと言われたから始まるのではなく、日々発生するがん細胞への管理でもあり、病院にいるときだけでなく、食事や運動、睡眠、恋愛、家族との時間などすべての生活の中にあります。我々は先進的な医療はもちろんですが、毎日の日常の中からも治療を後押しする栄養補助など統合的にがんと向き合っていきたいと思っています。