• 芸能人・スポーツ選手にも注目されている再生医療

    投稿日:2023年9月11日
    更新日:2023年9月16日
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    再生医療の現状

    まずは再生医療の現状についてお話しできればと思います。

    再生医療とは、機能障害や機能不全に陥った組織や臓器に対して、細胞や細胞を加工した材料を用いて、その機能や組織の再生をはかるものです。

    再生医療は、第一種、第二種、第三種に分類されており、わかりやすくいうと生命や健康に与える影響の大きさで分けられています。

    第一種だから有効高い、第三種だから有効性が低い、というようなことではありません。

    現在は、自由診療として提供されており、保険適用はされません。既にご存じだったり、見聞きした方々もいらっしゃるでしょうが、提供される治療内容によって、機関や金額に大きな開きがあります。

    例えば、患者さんの腹部や臀部などから脂肪を採取し、そこから得られる幹細胞を培養して用いるような治療は、百万円を超えるほど高額なものもあります。対して、PRPなどと呼ばれる患者さん自身の血液から得られる血小板を濃縮し、それを用いる治療は、十万円程度です。

    この差が生まれる理由としては、細胞や血液を加工する際の工程や期間、それに関わる人件費や材料費によるものが大きいです。幹細胞を用いる治療は、取り出した幹細胞を1ヶ月程度かけて培養し、数千万~数億個まで増やした後、点滴や局所注射によって投与します。PRP治療は、患者さんから採血によって得た血液を、専用の装置に30~60分程度入れることで、血小板を濃縮して、局所注射などで投与します。このように、治療法によって大きく期間や作業量が異なってきます。

    ちなみに、これら再生医療を提供するには、どのような疾病に対する治療なのか、どのような部位に対する治療なのかを、厚生労働省から認可を受けた再生医療等委員会に、細かな治療計画を提出し、その治療が適正か、金額が適正かなど、厳しい審査を受けます。また、毎年どのような治療を患者さんに提供したか、その結果や経過はどうだったかなどを報告します。これらに係る時間や人件費、培養など加工に係る時間や材料費、人件費などが軽減できれば、再生医療の提供費用も軽減されていくかも知れません。私たちは、これら人件費や作業負担を軽減する取り組みも行なっています。

    少し話が脱線しましたが、どの症状や疾病に、どの治療が用いられるか異なってきますので、ご自身の症状や疾病がどのような治療方法なのか、どれくらいの費用なのか、お住いの地域の近隣にどのような医療機関があるのか、再生医療サーチで検索してみてください。

    芸能人・スポーツ選手と再生医療

    皆さんの中にも、X(旧Twitter)やInstagramやTikTokなどのSNSで芸能人をフォローしている方もいらっしゃるかと思います。その中で、PRP治療を受けたという投稿を目にしたことがあるのではないでしょうか。また、有名スポーツ選手が再生医療を受けたというような記事を目にしたこともあるかも知れません。

    芸能人の方ですと、やはりその美貌を保つことが重要ですから、肌などの皮膚組織の再生のためにPRP治療の再生医療を受けるケースが多く見られます。具体的には、ほうれい線や目尻、口元のシワなどの改善に用いられているようです。

    先述したように、この治療は自身の血液から得られる血小板を用いるもので、点滴や注射の時間を含めても所要時間は数時間で済みます。また、ダウンタイムがほぼないことも魅力のひとつであるかと思います。

    ちなみに、PRP治療はインプラントの際に、土台となる骨をPRPによって強固にする目的で用いられることも多いです。

    スポーツ選手の方ですと、肘や膝など関節や腱に用いられることが多いです。関節や腱などの治療では、重篤度や目的などによって、幹細胞を用いるケースと、PRP療法を用いるケースがあります。

    有名なところですと、サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手、テニスのラファエル・ナダル選手、野球の大谷翔平選手や田中将大選手などが再生医療を受けたとのことです。

    野球ですと、よく耳にするのが、トミー・ジョン手術です。これは、損傷した腱や靱帯を切除し、反対側などから別の腱を摘出し、それを移植して患部の修復をはかるものです。定着までの期間が長く、リハビリ期間も長く必要で、負担が大きい投手の場合、実戦復帰まで1年~2年くらいは要します。これは、現役生活に限りがあるスポーツ選手にとっては、非常に大きな期間であり、必ずしも成功するとも限らないところも、頭を悩ませるところかと思います。

    対して、PRP治療は保存療法とも呼ばれ、身体にメスを入れる必要はなく、リハビリの必要もありません。試合に出ながら、もしくはオフシーズンの間に治療を受けることができます。大谷翔平選手も田中将大選手も、このPRP治療を受け、部分断裂した肘の靱帯が再生されたことが確認されています。

    プロスポーツ選手は普段の試合から負担が大きく、損傷と再生のバランスが自転車操業のようになって難しいケースもあり、最終的には手術に踏み切ることもありますが、PRP治療による保存療法という選択肢があることで、手術を回避できたり、試合を休むことを回避できたりするので、非常に有効な選択肢となっています。

    実は身近な再生医療

    抱えていらっしゃる疾病の種類や状態、費用などによって、必ずしも再生医療が最適ではないこともありますし、芸能人やスポーツ選手など、まだまだ特定の方たちに向けての治療で、ご自身や周りの方には程遠いと思いがちな再生医療ですが、皆さんの近隣の医療機関でも再生医療が提供されています。

    スポーツ選手でなくても、膝などの関節が動きにくかったり、痛みがあると、生活に不自由があると思います。生活に不便はなくても、ご自身ではコンプレックスになっているシワなどがある方もいらっしゃると思います。

    再生医療サーチは、再生医療を身近にし、日本のQOLを高めることを目的としています。

    また、低下した機能が改善することで、通院する機会が減り、国の医療費の軽減にも繋がればと思っております。

    是非、皆さまのお住いの地域の医療機関を一度検索していただき、医療機関に相談してみてください。